経営戦略の考え方(8)競争戦略とファイブフォース分析②売り手の交渉力(供給業者の交渉力)
競争戦略の第一人者、マイケル・ポーター氏が
提唱したファイブフォース分析。
前回は①業界内の競合他社についてお伝えしました。
今回は②売り手(供給業者)の交渉力についてお伝えします。
(交渉力のことをバーゲニングパワーと言います)
念のため、前回と同じ図を掲載しておきます。
②売り手(供給業者)の交渉力
自社にとって商品やサービスの供給業者も
競争要因のひとつになります。
供給業者は商品・サービスの価格を上げるか、
品質を下げるなどという形で圧力をかけてきます。
売り手の交渉力が強くなるのは
下記のような場合があげられます。
先ず1つ目は商品・サービスが差別化されたものである場合です。
他に取って変わるものがなければ価値の高いものになりますから、
供給する売り手の交渉力が強くなります。
2つ目は売り手にとって重要な取引先でない場合です。
売り手にとって重要な取引先であれば、
ある程度の要求は聞いてくれますが、
そうでない場合には立場が逆転し、
売り手の交渉力が強くなってしまいます。
3つ目は買い手のスイッチングコストが高い場合です。
スイッチングコストというのは取引先を変更することによる
システムの変更や従業員教育に伴うコスト、労力や時間などです。
このコストが高くなってしまう場合、
敢えて新たな企業と取引をはじめようということにはせず、
少しぐらい高くても現状の取引を維持しようと思います。
更に売り手の商品・サービスが買い手にとって、
欠くことのできない重要なものである場合や
売り手の数が少ない場合などは売り手の交渉力が強くなります。
次回は③買い手の交渉力についてお伝えします。