ランチェスター戦略、市場シェアの類型・パターンと推移/ランチェスター戦略の理論V0l.12
今回は「シェアの類型と推移」をお伝えします。
前回お伝えした「射程距離理論」と
「7つのシンボル目標数値(シェアの数値)」から
市場シェアのパターンが概ね4つにわけられます。
下記の図を元にお伝えしていきます。
●分散型
1位が下限目標値26.1%以下で1〜2位間、3〜4位間など
上下の差が射程距離√3倍以内の状態です。
首位が下限目標値の26.1%以下なので
首位交代や順位の変化が盛んに起こります。
新規参入や再編が多い業界でもあります。
例)デジタルカメラ業界
1位:キャノン20.5%
2位:パナソニック16.7%
3位:カシオ16.5%
4位:富士フィルム11.5%
5位:ソニー10.4%
●三強型、相対的寡占型
1~3位の上位3社で上限目標値73.9%以上のシェア
となっている状態で、1位が2〜3位の合計以下、
更に1位から3位までの差が射程距離√3倍以内の範囲
におさまっている三つ巴の戦いです。
例)複写機・複合機業界
1位:リコー28.6%
2位:キャノン27.3%
3位:富士ゼロックス23.0%
4位:シャープ11.3%
◆二強型、二大寡占型
1位と2位の上位2社で上限目標値73.9%以上のシェアとなり、
更に1位と2位の差が射程距離√3倍以内におさまっている状態です。
三つ巴の戦いから2位と3位の戦いが激しくなって、
どちらかが脱落すると2社の力が圧倒的に強くなります。
但し、1位と2位の戦いの隙を突いて3位が浮上する
「漁夫の利」が発生する可能性もあります。
例)ビール系飲料
1位:キリン37.7%
2位:アサヒ37.5%
3位:サントリー12.4%
他には二輪業界:ホンダ46.5%、ヤマハ27.0%、
携帯電話:ドコモ50.0%、KDDI28.4%
腕時計:カシオ、シチズン
携帯音楽プレイヤー:アップル、ソニー
航空会社:JAL、ANA
宅配便:ヤマト運輸、佐川急便など
●一人勝ち型、絶対独占型
1位が安定目標値41.7%以上のシェアで
1位と2位のシェアの差が射程距離√3倍以上の状態です。
「二強型」からどちらかが敗れ、
首位に立った企業がひたすら独走する状況が継続します。
更に相対的安定値40%を超えて2位を
射程距離圏外に引き離した状態です。
例)自動車業界
1位:トヨタ48.0%
2位:ホンダ17.5%
3位:日産15.4%
※上記シェアの数値は全て日経市場占有率
2010年版の数値となります。
上記4つのシェアの推移は・・・
1位は極大化の法則
2位(弱者)はジリ貧の法則
3位は漁夫の利
4位以下脱落の法則
・・・とありますが、
必ずこうなるということではなく、
あくまでこのような傾向がある
ということでご理解ください。
上段でシェアの類型と推移をお伝えしましたが、
自社がどの類型に属していようと、一体どこから攻めるのか?
ということが問題になると思います。
大半の企業は弱者になりますが、
例えば自社が2位の場合、
1位の企業(上位の競合)を狙いますか?
それとも3位の企業(下位の競合)を狙いますか?
次回は「競争目標」と「攻撃目標」の違い
についてお伝えします。
このような場合の判断基準となる考え方です。
更にランチェスター戦略3つの結論
と言われている概念のひとつをお伝えします。
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