ランチェスター戦略、ランチェスター法則の第二法則(第2法則)強者の戦略/ランチェスター戦略の理論V0l.4
次は第二法則(右側)です。下の図を見てください。
「第二法則(右側)」が適用される戦い方は、
確率戦、広域戦、遠隔戦
・・・です。
確率戦というのは聞き慣れない言葉かもしれませんが、
確率兵器(マシンガンなど複数の敵にダメージを与えられる兵器)
を使った戦い方や団体戦のことだと思ってください。
このような戦い方の時、
戦闘力=武器効率×兵力数の二乗
・・・となります。
第一法則と違うのは「兵力数の二乗」というところです。
二乗倍と言うのは相当の戦闘力になりますが、
本当に二乗倍の戦闘力になるのでしょうか?
数式を使って検証してみましょう。
下の図を見てください。
見慣れない公式だと思いますが、
算数のレベルなので難しいことはありません。
第一法則と異なるのは全て二乗倍になっているところです。
第二法則でも第一法則と同様に計算し易くするため
「武器効率」の「E」を「1」とします。
そうすると・・・
「味方の初期兵力数の二乗」-「味方の残存兵力数の二乗」 =「敵の初期兵力数の二乗」-「敵の残存兵力数の二乗」
・・・となります。
ここではマシンガンを持った兵士同士の戦いを
イメージしながら上の図をみてください。
先ず、本当に二乗倍の戦闘力(=損害量)
となるのか見てみましょう。
第一法則と同様に味方が5人、
敵が3人でどちらかの軍が全滅するまで戦います。
味方が敵から攻撃を受けた場合、当たる確立は1/5です。
1/5の確率で当たる攻撃を敵3人からを受けるので
味方1人の損害量は1/5×3=3/5となります。
そして敵兵士の場合は1/3の確率で当たる攻撃を
味方5人で攻撃しますから1/3×5=5/3となります。
味方の損害量が3/5、敵の損害量が5/3、 通分すると
⇒ 9/15:25/15 分子を比較すると
⇒ 9:25
これは3の二乗:5の二乗
・・・で敵の数の二乗倍になっていることがわかります。
では敵軍3人が全滅するまで戦うと
図のように味方は4人も残るのでしょうか?
第一法則の時とあまりにも数が異なりますが、
これも実際に数値を代入して検証してみましょう。
上に同じ図を掲載しておきます。
味方の軍の兵士が何人残るのかを検証しているので、
公式の中でも「M」(味方の残存兵力数)は
そのまま「M」として使います。
5の二乗-Mの二乗=3の二乗-0の二乗
25-Mの二乗=9-0 Mの二乗=16 M=4
・・・となり、図の通り
味方の兵士M軍が4人残って勝つことがわかります。
ではこの第二法則の場合、
敵のN軍がM軍に勝つには武器効率(E)の数値を
いくらにすれば良いでしょうか?
N軍が勝つわけですから不等号を用いて・・・
25-0<E(9-0) ⇒ 25<9E 25/9<E ⇒ 2.777・・・
ここで第一法則の時の武器効率(E)と比べてください。
第一法則の時は1.67でした。
第二法則では第一法則と同じ兵士の数でも
より大きな武器効率の数値2.78が必要になります。
従って、二乗倍の戦闘力(損害量)となる第二法則では
N軍は多少武器効率を上げても勝つことができない、
M軍は兵力数が多いので多少相手の武器効率が高くても
それを凌駕することができる圧倒的な戦闘力を持つことがわかります。
次はこの第一法則と第二法則を
ビジネスに置き換えると何が言えるのか?
戦争の法則からビジネスの法則にどのように応用するのか?
をお伝えします。