カバー率と客内シェアから市場シェアを導く出す正しい法人営業戦略/営業の仕組み化Vol.9

前回は、
法人営業戦略の方針3つ、
守る先、攻める先、育てる先
についてお伝えしました。
今回は、
営業戦略の立て方、
具体的な営業戦略の立案方法
についてお伝えします。
いよいよ、ここからが本番です!
前回のブログで顧客のランク付作業は終了しました。
※下記参照
実際にどのように競合他社からシェアを奪い、
売上を上げていくのか解説しますが、
それには流通シェアという概念を理解する必要があります。
流通シェアの概念を例を挙げて解説していきましょう。
あなたが時計メーカーの経営者だったとします。
社名はレロックスとしましょう(笑)
レロックスは顧客となる店舗を通して販売され、
東京には100店舗の時計店があると設定します。
100店舗全てと取引があれば
カバー率は100%になりますが、
実際には50店舗との取引だったとすると
カバー率は50%になります。
その時の式は・・・
カバー率=
自社の顧客数÷全対象顧客数
・・・で表されます。
次に
取引のある50店舗全てにおいて、
店舗内のレロックスのシェアが50%だったと仮定すると
平均客内シェアは50%になります。
その時の式は・・・
平均客内シェア=
自社商品販売額(数)÷店内販売額(数)
・・・で表されます。
ではカバー率50%、平均客内シェア50%だった時、
東京の市場シェアは何%になるでしょうか?
下図を参照に考えてみてください。
※ヨコ軸がカバー率、タテ軸が客内シェアです。
上図が見にくい場合はこちらをクリック!
正解は25%です。
更に一歩進めて、カバー率が50%、
平均客内シェアが30%だった時、
東京の市場シェアは何になるでしょう?
正解は15%です。
その時の式は・・・
市場シェア=
カバー率×平均客内シェア×100
・・・で算出されています。
ここは重要なポイントです。
上の式からもわかるように市場シェアを上げるには、
理論上、
カバー率を上げるか?
平均客内シェアを上げるか?
のどちらかであることがわかりますが、
客内シェアにおいては「平均」をあげるのではなく、
需要の大きい重要な顧客のシェアアップを狙うという発想
が求められます。
ここで先程の
立体ABC分析(12のマス目)が役立ちます。
需要の少ないCクラスや中途半端はBクラスを狙うのではなく、
需要の大きい、重要な顧客を狙うわけですから、
大口顧客の客内シェアに注力して
取り組むのが効果的であると判断します。
そこで大口顧客(ラージA)の中で
客内シェアが断トツになっている
顧客(スモールa)が何件あるのかを表すAa率
という概念を使います。
Aa率=
Aa顧客数÷Aグループ顧客数×100
次に流通シェア(構造シェアとも言う)という概念を解説します。
流通シェア(構造シェア)は
カバー率とAa率を足して2で割った数値ですが、
この数値は市場シェアとほぼ一致!
・・・します。
式で表すと下記のようになります。
流通シェア(構造シェア)の概念は
ルートセールスを前提とする法人営業戦略の肝
であると同時に営業戦略策定に欠かせない公式
になります。
では実際にどのように活用するのか、
例題と共に戦略立案の考え方を見ていきましょう。
例題)
貴社の全対象顧客数が100社で
取引先の数が50社(カバー率50%)、
ラージAグループが20社で
Aa顧客数が2社(2÷20でAa率10%)
であったとします。
現在の「流通シェア」 が「市場シェア」と一致している場合、
市場シェアを35%にする打ち手は
どのように考えれば良いでしょうか?
また何パターンの打ち手(戦略)があるでしょう?
ちょっと考えてみてください。
正解は次回、
戦略パターンの考え方と営業戦略の決定
についてお伝えしていきます。
法人営業に関る方は
次回も絶対に見逃さないようにしてください。
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