営業戦略の立て方におけるお客様の正しい分け方とは?(ランチェスター式ABC分析)/営業の仕組み化Vol.7
前回までの3回で
KIS戦略
の概念を通じて、
戦い方とその時の判断基準
をお伝えしました。
今回から、
法人営業戦略の立て方・考え方・立案方法の
最初の一歩として
市場シェアの立体ABC分析
(ランチェスター式ABC分析)
をお伝えします。
パレートの法則という言葉を聞いたことはありますか?
別の言い方をすると、80対20の法則とも言われています。
どういうことか具体例を挙げましょう。
あなたの会社の得意先が100社あったとしたら、
会社の売上は上位20社が80%の売上をもたらし、
残りの80社が売上の20%をもたらす
ということです。
20%のモノが80%を占有している
という世の中の統計から
導き出された法則のことです。
これを踏まえて、
あなたのビジネスにおきかえて考えてみましょう。
あなたが商社を経営していたとします。
そして、取引先が100社(販売店)あったとしましょう。
取扱高の高い取引先を左から順にA、B、C・・・
と並べていくと上位20社が売上高の80%を占めている
ということになります。
この考え方を更に発展させ、
下記の通り、3つのグループに分けます。
Aグループ:総需要の70%を占める大口顧客
Bグループ:総需要の25%を占める中口顧客
Cグループ:総需要の5%を占める小口顧客
図で見ると下記のようなイメージです。
図のヨコ軸、A・B・Cがそうです。
ちなみに、このように分けると、
A:B:Cグループの社数が、
およそ20社:40社:40社
=1:2:2になります。
統計学的にそのようになるのです。
このような分け方をABC分析と言いますが、
製造業であれば原材料や在庫管理などにも使われており、
優先度や重要度を明確にするための手法です。
今回はAグループを70%にしましたが、
Aグループ80%
Bグループ15%
Cグループ5%
という具合に数値を変更しても構いません。
数値は状況に合わせて調整します。
次に12のマス目で区切られた下図を使って
顧客をランク付けすると共に
該当するマス目に得意先の社名を入れていきますが、
その前にヨコ軸とタテ軸の定義を解説します。
<ヨコ軸>
ここではヨコ軸のローマ字をあえてラージA・B・Cと呼びます。
(タテ軸のスモールA・B・Cと区別)
このラージA・B・Cは需要規模別のグループを表しています。
前述したABC分析のグループのことで下記のように定義します。
●ラージAグループ
件数が全体の20%で需要の70%を占める大口顧客グループ。
一般に八方美人型で仕入先を分散させる傾向あり。
最大顧客は業界の判断基準となるので“頂上作戦”を取ること。
●ラージBグループ
件数が全体の40%で需要の25%を占める中口顧客グループ。
取引先数が多いので成長性のある“+B”と
衰退傾向の“-B” に分けて管理。
“+B”は攻めの営業を心がける。
●ラージCグループ
取引先数が全体の40%で需要の5%を占める小口顧客グループ。
ほとんど時間をかけるべきではない。
<タテ軸>
スモールa・b・c・dとなっていますが、
これは客内シェア(顧客内のポジション)を表し、
下記のように定義します。
●スモールaグループ
顧客内における自社のシェアが“No1” の顧客。
“No1” は単なる“1位”ではない。
2位に対して3倍(状況により√3)以上のシェアの差があること。
“1位” と“No1”を厳密にわけて考える。
※なぜ3倍(もしくは√3倍)なのか
という点に関しては難しくなるので割愛します。
●スモールbグループ
顧客内における“No1”の取引先がない顧客。
シェアは1位であっても2位に対して3倍以上のシェアの差がないこと。
●スモールcグループ
他社が“No1” の顧客。
2位に対して3倍以上のシェアの差がついている1位が存在すること。
●スモールdグループ
未取引先の顧客。
既存取引先ではないが将来性があるところ。
このようにヨコ軸とタテ軸を定義し、
自社の顧客がどのマス目に該当するのか
実際に顧客をマス目上に記入します。
こんなイメージです。
上記の図を見ると、
青:Aa、Ab、Ba
黄:Ac、Bb、Ca
赤:Bc、Cb、Cc
・・・と3色に分かれてますね。
これが次回にお伝えする、
3つの営業方針
・・・になります。
どのような方針か、
次回までに少しでも考えて頂けたらうれしいです!
では次回、
営業戦略を左右する3つの営業方針
をお伝えします。
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