10%の値下げ(≠値引き)が招く経営危機!?(販売数量早見表)/究極の差別化戦略の考え方Vol.5
前回は
絶対に値下げがダメな3つの理由の
1つ目「安直な値下げ」
・・・についてお伝えしました。
今回は・・・
10%の値下げが招く経営危機
として、2つ目と3つ目の理由
・・・についてお伝えします。
なぜ2つ目と3つ目の理由を
一緒に解説するかというと
密接な関係があるからです。
では解説していきましょう。
2つ目の理由は、
値下げ以上に販売数量を増やさないと
元の利益を確保できない
からです。
前回の最後の質問で
あなたが小売業のオーナーだったとして
ある商品を10%値下げした時、
販売数量を何%増やさなければ
元の利益を確保できないか?
という質問をしました。
その答えは・・・
販売数量を50%増やさないと
元の利益を確保できない!
・・・ということです。
元の販売数量が1,000個だったら、
1,500個売らないと元の利益にならない!
・・・のです。
では、20%値下げした場合の
販売数量はどうなるでしょう?
これはあなたがが想定した以上の
販売数量になるはずです。
答えは・・・
販売数量を200%増やさないと
元の利益を確保できない!
・・・のです。
元の販売数量が1,000個だったら、
3,000個売らないと元の利益にならない!
・・・ということなんです。
なぜこのようになるのでしょうか。
これには業界ごとの特性と
値下げ率が大きく関係しています。
下記の表を見てください。
上図は業界ごとの
平均的な変動費率です。
是非、あなたの業界が
どこに該当するか確認してください。
※変動費率
売上の中に占める変動費の割合のこと。
詳細は拙著『儲かる会社88の鉄則』
第2章P50以降を参照してください。
特典のPDFで受け取っている方は
是非ご覧ください。
小売業は一番上の69.7%なので
切りの良い70%として捉えて、
下の表を見てください。
ヨコ軸が「売上に対する変動費率」
タテ軸が「値下げ率」
になっています。
小売業の場合、ヨコ軸の70%と
タテ軸の10%が交差したところの
数字50を見てください。
これは販売数量が50%増し
になることを意味しています。
同様に、
20%値下げした場合の数字は200、
販売数量が200%増しになるのです。
あなたが想定した以上の
販売数量だったのではないでしょうか?
ちなみに価格を10%上げることができたら、
どうでしょう?
販売数量は25%減少します。
元の販売数量が1,000個だったら、
750個で元の利益を確保できるのです。
更に価格を20%上げることができたら・・・
この時の販売数量は40%減少します。
元の販売数量が1,000個だったら、
600個で元の利益を確保できてしまうのです。
値下げと値上げのインパクト、
想像以上だったのではないでしょうか?
3つ目の理由は、
値下げは弱者の取る戦略ではなく
強者の取る戦略
だからです。
上の表でも見たように、値下げをすると
想定以上の販売数量を売らないと
元の利益を確保できない
ということがわかりました。
多くの販路を持ち、販売力のある
強者(大企業など)であれば
値下げをしても売り切る
ことができるでしょう。
ところが、
経営資源の限られた我々中小企業が
利益を削って値下げをした場合、
想定上になった販売数量を
売り切ることができるでしょうか?
ということなんです。
価格を下げるということは
安く売っても、それを補って余りある、
販売数量を売り切る力のある、
薄利多売のビジネス
であることを強く認識して
欲しいと思います。
では、
どのように価値を高め、
価格アップを実現
していけば良いのでしょうか?
ウォーミングアップは
今回で終わり次回から本番!
です。
根を上げずに値を上げろ!
・・・を合言葉に「3つの仕組み化」に
取り組んでいきましょう!
次回以降で、
●商品・サービスの
価値を高める3つの手法
●売上アップの方程式
●売上2倍を達成する10の打ち手
についてお伝えします。