経営戦略の考え方(4)成長戦略(拡大戦略)について/市場浸透戦略、新商品開発戦略、新市場開拓戦略
前回は事業領域(ドメイン)についてお伝えしました。
ここから先は3つのステップ、
・最適資源配分
・成長戦略(拡大戦略)
・競争戦略
・・・にわけてお伝えしていきたいと思います。
●最適資源配分
各事業部ごとに様々な製品・サービスを
扱っていると思います。
これを・・・
PPM
(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)
モデルを用いて、
どの事業にどれだけの資源を配分するか検討します。
(PPMは色々なサイトで掲載されているので詳細の説明は割愛します)
当然、企業価値が最大になるように考えるので、
「金の成る木」でキャッシュを稼ぎ、
「問題児」を次の「花形」に、
「花形」を次の「金の成る木」になるように
人・モノ・カネを集中的に投下していきます。
この流れは大企業、もしくは中小企業の中でも
複数の事業部がある場合の流れになりますが、
複数の事業部が存在しない中小企業
(事業部でやっていること=全社事業)においては
事業部ごとの最適資源配分をスキップし成長戦略を考えます。
●成長戦略
成長戦略は下記のように縦軸に市場、
横軸に製品・サービスを取り、
既存・新規のマスを設け4つのパターンで考えます。
上記4つの成長戦略のパターンで
多角化戦略以外を拡大戦略と言いますが、
順に解説していきます。
①市場浸透戦略
既存の市場に対して既存の商品・サービスを
セールスしていく拡大戦略であれば、
客単価を上げるために商品単価を上げる、
購買点数を増やす、購買頻度を増やす、
既存客への付加価値を上げる
というように考えていきます。
②市場開拓戦略
既存の商品・サービスを新しい市場にセールスしていく
拡大戦略であれば自社で売るのか(直接販売)、
代理店のようなパートナーを開拓していくのか(間接販売)、
地域・エリアで考えた場合に拡大していくのか(通販など)
それとも既存エリアの穴を埋めていくのか
というように考えていきます。
③新商品開発戦略
既存の市場に対して新しい商品・サービスをセールスしていく
拡大戦略であれば、既存取引先に対して相性の良いものか、
新たな商品・サービスの開発にかかるコスト
(予算的なものに限らず人的労力も含みます)
に見合う利益が見込めるか、
シナジー効果が期待できるかということを
考えなければなりません。
④多角化戦略
新たな市場に対して新しい商品・サービスをセールスしていく
のが多角化戦略ですが、これは慎重に検討しなければなりません。
経営資源の豊富な大企業ならまだしも
中小企業が安易に多角化戦略に出るべきではありません。
戦略は8割のやらないことを決めること!
・・・と言われているぐらいですから、
本来は事業を絞らなければなりません。
にも関わらず、
新しい市場、新しい商品・サービスに打って出るわけですから、
少なくても上記3つの拡大戦略を勘案、
もしくは実行した上で最後の手段と考えた方が良いでしょう。
次回は冒頭で3つのステップにわけた
3つ目の競争戦略についてお伝えしていきます。