人事評価制度の考え方(3)人事評価制度が優秀な従業員を育て定着させる!?
前回は研修が優秀な人材育成に有効であっても優秀な人材を定着させるには至らないということ、優秀な人材を定着させるのが“人材育成のための”人事評価制度であることをお伝えしました。今回は人事評価制度がなぜ優秀な人材を育成し、従業員の定着につながるのかについてお伝えします。 前段で“優秀な人材”と申し上げましたが、貴社ではどのようにお考えでしょうか?学歴が高い?特別なスキルを持っている?外れてはいないと思いますが、貴社が求めている人材ではないと思います。貴社が求める人材はひと言でいうと“経営者の代わりとなる人材”ではないでしょうか?それはリーダーシップがあり、任せられる人材であると思います。 このように考えると“人を育てる”評価制度の大事なポイントは給与体系も然ることながら、会社のミッション・ビジョン・理念と紐付いていることです。この3つの定義については以前もお伝えしましたが、確認の意味で下記動画を掲載しておきます。
人事評価制度を考える上でこの3つの定義が重要になるのは、企業が従業員に提供できる2つの幸せの内のひとつが“自己実現の幸せ”だからです。企業の進むべき方向と従業員の進みたい方向が一致して、はじめてパートナーとして手を取り合うことができます。当たり前ですが、従業員は決してお金だけではついて来ません。逆に従業員がこの3つの定義を理解し、強い気持ちで賛同していればお金では働かなくなります。誤解を恐れずに申し上げるとお金では働かない社員が優秀な社員です。 そしてもうひとつの幸せが“経済的幸せ”です。従業員の給与はどのように考えれば良いでしょう?ここでは詳細の説明を割愛しますが、結論からいうと年功序列・業績給・役職休などの要素をバランスよく配分し決めるべきです。 良くある話ですが、優秀な人ほど「できない上司の方が給与が良いからやってられない」と言って会社を辞めてしまいます。組織が少し大きくなると、このような現象に気付いていない経営者の方もいらっしゃいます。業績や過程などをしっかり認めた上で評価することがとても重要です。そうすると「この会社はわかってくれている、評価してくれている」と思って、優秀な人材が定着するようになっていきます。 このように人事評価制度は定性面(会社の方向性)と定量面(給与)の2軸で考えることが重要ですが、更に“信賞必罰”であることが必須です。昇給・昇格があるのは当然ですが、減給・降格の基準がない企業が多く見受けられます。 ◆優秀な会社は・・・ “昇給・昇格と減給・降格がある会社” ◆優秀でない会社は・・・ “減給・降格がない会社” 減給や降格の定義がないということが、いかに優秀な社員のやる気をそいでしまうかご存知ですか?優秀な社員が辞めてしまう大きな要因となり、企業に大きな損失をもたらしてしまいます。 次回は人事評価制度の考え方のまとめとして、人事評価制度は企業経営にとってなくてはならない“経営ツール”であるということをお伝えします。人事評価制度に関するご意見やご質問などを下記facebookページでシェアして頂ければ幸いです。